アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2つの「国民病」を結ぶ驚きのメカニズム (ブルーバックス)
- 作者: 鬼頭昭三,新郷明子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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皆さんおはようございます猫枕です。
ワタクシの所属する
【コウノメソッド】認知症治療研究会
でも問題となっている話を、
他のドクターの著書で再考致しました。。。
アルツハイマー病と糖尿病は並行して増えている
ロッテルダムスタディの研究成果で、
『糖尿病はアルツハイマー病の発症リスクを2倍にする』
と言われていますが、
日本でも九州大学の久山町研究で同様の報告がなされています。
糖尿病の人は高血圧、脂質異常症などを合併しやすいため、
動脈硬化の進行が早く、
色々な脳血管障害になりやすい。
特に、
ラクナ脳梗塞という小さい梗塞巣(直径15mm以下、多くは3~5mm)
を多発しやすく、
これ自体も脳血管性認知障害を起こしますが、
同時にアルツハイマー病の重大な危険因子であって、
両者が同時にみられます。
インスリンとアルツハイマー病
インスリンは膵臓と海馬で分泌されている
糖尿病の主役は、
膵臓のランゲルハンス島の中の
β細胞から分泌されているインスリン
というホルモンです。
(膵臓のズームアップ:肝臓の下、十二指腸の横)
このインスリンが、
認知症の重要な舞台である
海馬 Hippocampus
の中でも作られています。
インスリンは血糖調節だけでなく記憶物質でもある
膵臓で分泌されて血糖値の調節をしているインスリンは、
脳に働いて記憶物質としても重要な役割をしています。
脳のエネルギー源はブドウ糖ですが、
これを海馬に取り込むのをインスリンが助けるのです。
インスリンのカスケード反応
インスリンのようなホルモンが細胞に働くためには、
情報伝達の化学反応が何段階もリレーしてバトンタッチせねばなりません。
(カスケード反応)
(出典:本誌121ページ)
糖尿病だとその途中段階で障害が起きやすく(インスリン抵抗性)、
インスリンが脳内で記憶物質として十分働けず、
アルツハイマー病になりやすいのです。
インスリンがダメだとアルツハイマー病が悪化する
インスリンは脳の中で、
神経細胞の生存、修復を支え、記憶を作り、
アミロイドβタンパク(アルツハイマー病の原因)
を分解する作用を持っています。
インスリンがうまく働かないとアミロイドβタンパクが蓄積し、
それがさらにインスリンの情報伝達を悪化させる悪循環を招いて、
アルツハイマー病を進行させるのです。
結論【アルツハイマー病は脳の糖尿病である】
アルツハイマー病の基本的な原因は、
脳内でのインスリン抵抗性の存在である。
即ち、
『アルツハイマー病は脳の糖尿病である』
と言えます。
尚、
鬼頭先生のメカニズムの本は素人には難解過ぎるため、
小生が大幅に簡略化してご紹介致しました。
これでは簡単過ぎて却って腑に落ちないとご不満の方は、
是非上記の本をお読みになってみて下さい。
また、
【NHKガッテン❗️】のムックにも分かりやすい記事がありますので、
こちらも併せて読んで頂くと理解が深まると思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。